サックス選定


(以前も選定について書きました。今回も同じような記事ですが前回の記事と合わせてお読み下さい)

楽器は必ずプロに選定してもらいましょう

楽器の選定というのは、私の場合基本的に一緒に楽器屋に行って吹きます。もちろん購入者の方も沢山吹いてもらいます。その楽器を心から好きと思えば購入ということになります。ちょっとでも迷いがあれば、良い楽器と出会うまでは待った方が良いです。早く欲しいという購入者の希望ももちろん理解できますが、私の客観的な意見もその場での判断材料として取り入れていただくために同行します。



 なぜ楽器の選定が必要か?

サックスという楽器はエントリーモデルでも大体10万円からを目安として考えます。趣味としての10万円はかなりの出費です。決して安くはないのに、個体差があるのがサックスなのです。同じ型番でも差が生じます。

この個体差というのは、
1.      個性という差
2.      良い悪いという差
3.      楽器店特有の調整による、工場出荷時や他店との差


1の個性の差は、こちらの方が優しい音、こちらの方が強く主張する音、というような、「カラー」の違い、言わば双子のような差です。

2の良い悪いの差は、文字通り優劣です。この優劣は何故生じるかというと、工場から出荷された時からあり得ることですが、楽器店に入ってから劣化することも考えられます。楽器店にはプロから楽器をこれから始めようとする人まで、沢山の人が来店し試奏します。また何種類もあります。全ての楽器の品質をキープすること、意外とそれが出来ていないお店もあるように感じております。

3の楽器店特有の調整というのは、リペアによって楽器の操作性や響きが変わります。入荷してから楽器店でチェックして店頭に並べますが、調整し直して店頭に並べるお店もあります。そのことにより、お店特有の調整になり、どのメーカーでも似たようなキーアクションになっているお店もあります。好みの調整であれば良いのですが、あまり好みではない場合、購入後も同じお店でリペアに出すと、毎回同じような調整になります。(リペアは好みの所に行くとよいのですが、これまた初心者の方には難しいことです。リペアに関しては別の記事を書きます)



 ☆なぜプロが選定した方が良いか?

今までに何十本(何百?)も吹いてきた経験上、楽器の特性を知っています。プレイヤーにより良い楽器とは何かという考え方は違いますが、我々プロは楽器にどういうことを求めるか、やはり端的に言うと良い音がするかどうか、に尽きると思います。良い音で、かつ全音域で響きに偏りがなくスムースに演奏できる楽器を求めます。

選定の際には、全音域で音程、音色、音のつながり、キーの感触、抵抗感のバランスを確かめます。フォルテやピアノ等それぞれの音量で、連続した音、単音、細かくチェックしていきます。


また、試奏する部屋によっては聴こえ方が変わります。経験の少ない方の場合、吸音されるいわゆるデッドな部屋では、それが良い楽器でもあまり良いように聴こえないと感じることもあるかと思います。また吸われるので、オーバーブロー気味になりやすいと思います。逆に程よい反響があるホールのような場所では、上手に聴こえてしまう傾向があります。
プロはどのような部屋でも左右されることなく、その楽器の本質を見いだせると思います。


車に例えると、軽でもトラックでもスポーツカーでも、それぞれの車で 20km/h40km/h60km/hで走行チェック、坂道も平坦な道も同じ速度で走るという走行テストは素人には難しいものです。 
楽器の場合、毎度違う楽器屋での試奏・選定、異なったメーカーや型番が目の前に沢山並んだ時、選定することは簡単なことではありませんが、プロは1本ずつその特性を理解していきます。


余談かもしれませんが、個人的にはmp(メゾピアノ)の音量で、優しくしかも力強く鳴ってくれる楽器を好みます。この音量で存在感のある楽器は大きな音量でもうるさく鳴ることは少ないと、経験上感じます。


そしてホームページや店頭にない商品の入荷状況も店員さんが教えて下さる、ということも時々あります。


楽器選定をご希望されている方は是非以下のアドレスまでご連絡下さい。
良い楽器と巡り会うお手伝いをさせていただきます。

takujazzアットtakujiyamada.com
(アットを@に変換して下さい)

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